リスキリング

最近よく「リスキリング」という言葉が聞こえて来る。はじめ「リスキ・リング」かなと想像した。テレビ局のアナウンサーの発声が、そんなイントネーションだった。ならば「リスクを高めて何かの能力を発動させる」とか「窮鼠猫を噛む」とか、そういうことの意味だろうかと思った。ファイナルファンタジーで、味方を攻撃してレベルを上げるという間抜けな育成法があったのを思い出す。
記事の解説内容などから「リ・スキリング」だと理解した。「再び技術を身につける(新しいスキルを学ぶ」ということのようだ。ベテランの社員が、職場で新しい仕事や技術を学んで、社内で職業転換する取り組みを指すらしい。少子高齢化は深刻な問題となってきていて、どこの企業も人手不足なのだ。リスキリングのためそれなりの費用をかけて、新しい研修制度や学習ツールを準備し始めており、国もそれを支援する方針のようだ。
すごいなあと思うのは、どこからか「リスキリング」という言葉を持ち出してきて、企業に研修システムを売り込んでいま当に利益を上げている会社があるということだ。どこよりも先に時代の変化の波に乗っている。それともやはり、その波こそ作られたものか。
妻にどういう言葉だと思うか訊いてみたら「リスとキリンがいます」と言った。人はそれぞれに棲む世界がちがう。