朝6時に眼が覚める。
しばらく、ぼーっとしていたら7時になったので、着替えて居間に降りていくと、
すでに義妹が朝食の準備をしてくれていた。ヒロ君も起きていた。
嗽などして身を整え、ヒロ君のフィギアコレクションなど見せてもらいつつ朝食を待つ。
ライダーマンとプロレスラーが中心。桑畑三十郎(もうすぐ四十郎だがな)などもあった。

朝食後、散歩がてら自動車で、武州妻沼というところにある聖天山というお寺に
連れて行ってもらった。埼玉の小日光と呼ばれているところらしい。
この辺りは斉藤別当実盛ゆかりの地だそうで、ここはその実盛が大聖歓喜天を祀った所らしい。
入り口の貴惣門は重要文化財で、周囲の彫刻が細やかで美しい。

すっかり新緑の季節となった。聖天様の境内も背の高いケヤキが涼しげに青葉を湛えている。
青葉といえば今日は青葉賞の日であることをチラと思い出す。ブレーヴハートは1番人気なのだろうか。
なるべくそのことは考えないようにしてみる。お参りを済ませて、お御籤を引く。
果たしてオレさまだけが「凶」を引いてしまった。きょうといえば今日は青葉賞の日であることを
チラと想い出す。やはり、あれか。ブレーヴハートが勝っちゃったりするのだろうか。
なるべくそのことは考えないようにしてみる。

埼玉の小日光はすぐにお参りが終わってしまった。ツツジが綺麗に咲いているのを、
ゆっくり眺めてみても、時間はそれほど経たないわけで、そうしたらふと、
昨夜、ヒロ君のお父上がパソコンの調子が悪くてと仰っていたことを思い出し、
さらについ 「今度私に見せてください」 などと言ってしまっていたことも思い出したものだから、
仕方なくそのままヒロ君の実家へ連れて行ってもらう。

行ってみたら、玄関で番犬のコロにだいぶ吠えられた。
「いまさらなにしにきた、さっさと帰ってくれ」
とでも言われているような気がしたが、お父上とお母上が優しく迎え入れてくださった。

音が出なくなったというのはスピーカーの接触が悪かったせいだった。
ゴミ箱アイコンが2つあるというのは片方がマイコンピュータだったのでアイコンを変更した。
画面が小さくなったような気がするというのでディスプレイのメニュー操作で表示域を広げてみた。
最後にインターネットができなくなったというので、OCNの新しいアクセスポイントを調べて
ダイヤルアップの設定を修正してみたらうまく繋がった。お父上はたいそう喜んでくださった。
オレさまもなかなか役に立つところを妻に見せつけてやったつもりでいたが、
妻はいつの間にか義妹夫婦やお母上やコロと一緒に居間で楽しくプリンを食べていた。ちぇ。

ヒロ君のご両親に挨拶し、そろそろ帰途に着く。
帰る前に、ラーメンを食べようということになったので、ヒロ君はわざわざ群馬の大泉という町まで
車を走らせて、昭和二十九年創業の 『幸楽苑』 という店へ連れて行ってくれた。
オレさまはそこで中華ソバAセットを食べた。

義妹夫婦と別れて、自宅へ帰ってきたのは午後4時過ぎだった。
恐る恐る、JRAのホームページにアクセスしてみると、
ヴァインドレッサーとレジェンダロッサが勝っていた。ぜんぜん「凶」じゃないじゃん。
青葉賞ブレーヴハートは3着だったらしい。負けはしたが、ダービーへの出走権はしっかり獲得した。
なかなか悪運の強い馬である。