朝7時5分。オレさまは布団の中で落胆していた。
チアズガディスが函館2歳ステークスを勝つ夢を観てしまったのである。
オレさまの夢は当たらない。いわば逆神として絶対の信頼性を誇っている。

義妹夫婦はすでに起きて寝室にはいない。妻を起こし、階下に下りると、
二人とも朝食の用意をしてくれていた。シャワーを借りて汗を流し、
朝食をいただく。今日も天気が良い。

今日も天気が良いのは良いが、なにしろ妻沼はなにも無いところで、
退屈といえば退屈だし、贅沢といえば贅沢なところなのである。
オレさまはしばらく縁台に腰かけて、目を閉じて蝉の声を静聴していた。
断末魔といえば断末魔だろうし、恋歌といえば恋歌である。

昼頃には、聖天さまの敷地内にある 『騎崎屋』 という甘味屋へ連れて行って
もらい、そこでカキ氷の ”ミルク” を食べた。300円。美味しかった。
それから蕎麦屋に行って昼食。最高級の上天ざるソバを注文した。1450円。
美味しかった。

午後3時頃に妻沼を離れて帰途につく、熊谷の駅まで送ってもらう途中で、
『万代書店』 という大きな古書店に寄ってくれた。なにしろ義弟のヒロくんも、
コミックとフィギュアにはウルサイタイプである。

駐車場に停められた自動車を降り、深呼吸しながら入り口に立つだけで、
その店のポテンシャルの高さがビリビリと伝わってくる。
ここに無いものは何も無いとさえ思わせる。こんな店が熊谷にあったのか。

店に入って、その品数の豊富さに圧倒される。
プレステやファミコンの本体が沢山ある。あらゆる種類の食玩が集められている。
妻がララアのフィギュアを指差して 「この人誰だっけ」 とか聞いてくる。
うーむ。どう説明してよいものか。ララア、コイツを導いてやってくれ。

フィギュアにはあまり興味がないが、コミックには少々うるさいぜ、
とかブツブツ言いながら2階へ上がっていくと、ブックオフみたいに直近の
作品はもちろん大量に揃っているが、ちょっとスミの方に目をやると、
関谷ひさし 『ストップにいちゃん!』 が十数冊……ううう!
吾妻ひでお 『みだれモコ』 、山上たつひこ 『JUDOして!』、
手塚治虫 『ロック冒険記』 なんだこれは。なぜこんなものがここにあるのだ。

なかでも、山上たつひこ 『JUDOして!』 は、よほど買ってしまおうか、
と思ったのだが、4巻と5巻しかなかったことと、どちらも一冊が800円で、
やや割高に感じられたことで、辛うじて思いとどまる結果となった。
それでも、そのためだけに10分は悩んだと思う。いまも悩んでいる。

とにかく、この次に熊谷へ行くときは、軍資金の用意が必要だ。

帰宅したのは、夜7時頃だった。
とりあえず、インターネットで函館2歳ステークスの結果を確認する。
2番人気だったチアズガディスは、着外……ていうか、シンガリの11着。

○| ̄|_

嫌われたな。POGの神様に完全に嫌われた。いいでしょう。結構です。
こうなったらトコトンPOGの神様とも疎み合って、最後には喧嘩別れしよう
じゃないの。こんなこともあろうかと、COTの負担ポイントには上限が設定
してあるもんね。どんなに迫害されても、−4万ポイントが限界ですから!
わーははは。チアズガディスがシンガリでも平ちゃらですから。
もう金輪際一喜一憂しませんから。POGの神様さようなら! アディオース!