百人一首は今日でとうとう99個目まで覚えた。99まで来たと周囲の人に自慢してみたところ、そのうちの一人に、では99番目を言ってみなさいと要求されて、真白になる。ふふふ。まあ待て。もちろん完璧に覚えている。でもまだインデックスが完全ではないからな。映像的記憶を呼び覚ますまで少し待て。こうして思い出そうとする回路を使っていると、じわじわ浮かんでくるわけだ。こうした体験を繰り返すうちにだな、あ、ちょっと待って、いま思い出せるから。あ、電話か。どうぞ。うーん。うーん。浮かび上がってくるあらゆるイメージの断片を繋ぎ合わせるのだ。決して投げてはいけない。いま、オレさまの頭の中ではローマ軍がゲルマンの森を切り拓いているのだ。よを思うゆゑ! それだ、あぢきなくよを思うゆゑ! 思い出した。オレ思い出したから、ちょっと待ってどこ行くの!

という感じでまだまだ。夜は職場の新年会兼壮行会。珍しく新宿まで遠征。みんな慣れない土地で落ち着かない様子。池袋育ちのオレさまも新宿は危険区域と警戒しているが、じつは新宿育ちの人から見ると池袋のほうが危ないところに映るらしい。このあたりが池袋と新宿の可愛い関係なのである。まあ、いいか。

新宿駅からすぐ近くの落ち着いた感じの店だったが、IT技術者が集まって飲む話になれば、ガンダムか日本史かIT技術の話に決まっている。ビールだのカシスだのウーロン茶だのがぶがぶ飲みながら、ググってみたとか、辞世の句がどうとか、脚なんて飾りですよとか、そうなると、オレさまもじっとしていられない。ここでもまた、99首まで覚えましたが何か、と豪語する。そしてまた、99番目を言ってみよとのリクエスト。さあそれだ。本日2回目のイメージ検索でございます。アルコールが入れば暗記力も暗誦力も確実に衰えわけだがしかし、Googleに負けるわけにはいかないのである。