昼過ぎに、Y成君とN籐さんの新婚カップルが二人で遊びにくる。
手土産にチーズケーキと、お酒を1本持ってきてくれた。とても嬉しい。
妻に命じてビールを用意させ、まずは鍋を囲みながら乾杯する。

Y成夫妻が持ってきてくれたお酒は宮崎県の焼酎だった。
包装紙をはがして出てきた箱には 『剣道』 と書かれてあった。

○| ̄|_

いきなりオレさまの琴線に触れる。
一体どういう理由で焼酎と剣道が結びつくのか。どうして?
うーむ。まあ、いいか。

慎重に箱を空けて本体を取り出してみると、防具をつけた剣士を象った酒瓶が出てきた。
ううううーむ。上段の構え……。冗談の……? うーむ。
付属品として小さな竹刀まで用意されている。竹刀を剣士の像に持たせてみる。
カッコイイ。

しばらく 「しない」 で駄洒落を言い合ってから、いよいよ中身をいただいてみる。
とても美味しい。凛とした剣士の緊張感が舌を通して伝わってくるようだ。

「これは一本とられましたな」

ついまた、言わでものことを言ってしまってはっとしたが、意外にウケた。

新婚の二人から、いろいろ根掘り葉掘り聞き出したりしながら、
ときどきJCダートのパドックを見たりする。ケータイで投票しようとするY成君に、
いろいろアドバイスしようとしたが、まるきり取り合ってもらえなかった。

新婚旅行の行き先が未定だというので、海外のあちらこちらの話をしていたら、
そのうちにディズニーランドやディズニーシーの話になってしまった。
Y成君がずいぶん詳しくて、上手に遊ぶコツをいろいろ教えてもらっているうちに、
いよいよ行ってみたくなった。待ってろよ、ミッキー。

夜7時頃、Y成夫妻を駅まで送り、再び夜の商店街をうろうろしながら帰ってくる。
家に帰ればあの剣士が待っているのだと思うだけで、
胸に勇気が湧いてくるようだ。