赤塚不二夫が亡くなったらしい。冥福を祈りたい。午前中は漂泊の想いやまず、『おくのほそみち』 など流し読みしていた。妻は完全に忘れかけていた梅の実を今さら濡れ縁に干している。笊に並べられた鮮やかな赤い実の色を遠くから眺めて見惚れたり。昼頃になっていよいよ晴天が惜しくも感じられたので、妻を誘い自転車をこいで出かける。炎天下を楽しみながら駅まで、わざとゆっくりとペダルを泳がせてみたり。行くあてなどない。ただ夏が好きなのである。避暑を兼ねて書店で立ち読み。自転車を止めるときの気分はイージー・ライダーである。見知らぬ古書店に入るたびに探していた 『マイナス・ゼロ』 が復刊されているのを発見。少し迷ったが、買うのはまた次の機会とする。平積み台の前でいろいろ考えながら、すぐそばのダイエット本のコーナーの前に立つ身体の大きな二人の女性の会話が聞こえてくる。この方法には無理があったとか、その本は効果がなかったとか、この人は自分でできないことばかり押し付けるとか、小さな本を手にとっては、二人で交互に解説を試みている。どれもこれもダメなのかと思ったら、”蒟蒻ダイエットはよかった” という評価が出てきた。ほうと思う。簡単だし、味も悪くないし、効果もそこそこにあるようだ。なるほど。「あれは続けたかったな……」 という独白で解説は締めくくられた。時間は静かに過ぎていく。妻が 『崖の上のポニョ』 を観たいというので大泉学園のOZに連れて行ったのだが、エレベータに乗って映画館のチケット売り場にたどり着いたところで、あまりの人混みの多さに怖気づいてしまったようで、やっぱり観なくていいと言う。そのままエレベータで階下へ戻り、建物の1階にある焼肉屋で昼食。大泉学園駅から徒歩5分くらいのところに牧野富太郎博士の記念庭園があるのでそちらに向かってみる。牧野記念庭園は、意外とこぢんまりとしていた。温室の前でナウシカの真似などしてみたり。保存されている書斎など打ち眺めつつ、武蔵野の面影を追いかけてみたり。それからぼちぼち引き返して、帰宅後すぐにホースで庭木に水をやったり。ついでに路面にも打ち水したり。おかげで夜は涼しく眠ることができた。