朝から雪がふっておる。大勢の妖精が要請に応じてゆっくり降りて来る感じ。窓外に目を向けたまま、妻に 「弁当不要」 を伝える。せっかくなので昼休みには雪見散歩をしながら仕出し弁当を買いに行くことにしようと思ったのである。にもかかわらず昼休みに外へ出てみればもう雪は雨に変わってしまっていた。溶けて流れりゃみな同じ。じつに不甲斐ない冬将軍ではある。定時後にはその雨も止んで、ただ寒いだけの帰路。夕食後、書棚に 『リア王』 を見つけて少し読む。短気な老人である。それから 『ヘンリ・ライクロフトの私記』 をまた少し読む。秋になるといろいろ思い悩むようだ。そして最後に 『西遊記』 第4巻を少し読んで寝る。路傍の石に頭を下げて偵察報告の練習をする猪八戒が大好きである。