頭がふらふらするので、O西さんを誘って飲んで帰ることにする。また秋葉原のそば屋『助七』。
パイプオルガンは大変な労力と莫大な費用をかけて構築した大げさな装置で、しかも、ピアノとは違って、大きな音を出すのに大きな力はいらない。北斗神拳みたいに指先ひとつで、涼しい顔で、突然に大音響を現出させることができる。まさしく特権階級を象徴するような存在に違いない。
その一方で、電子オルガン(というかハモンドオルガン)とかいうやつは、アンプをつなぐことでパイプオルガンと同じくらいに大きな音を、同じような指先の操作で出力することができるわけだが、大げさな構造でないところが本質的に間違っているように思う。
そうしたわけで、いつの頃からか自分のなかでは、ハモンドオルガンはパロディとしてのみ存在する。ゴスペル音楽とともに発展したと聞けばああそうかもなと独り合点してしまうのだが、ディープパープルのジョン・ロードの演奏なども、過去の特権階級の姿をシニカルにあるいはアイロニカルに真似て見せようとしていたのではないか。なにしろ、ロード(Lord)という名前からして貴族的である。
まあ、あれだ。そういう話をしたということ。