妻の災難は、当然ながら対岸の火事では済まされず、いろいろと家事を代行しなければならなかった。掃除をしたり、コーヒーを入れたり、花に水をやったり、玄関先を掃いたり、病人を笑わせないように気をつけたり。やはりヒトは一人では生きていけないものなのだ。白い障子紙に浮かぶ竹藪の絵柄を眺めながら、今日は晩ご飯をつくってみようと漠然と決意し、それから3時間かけて、御飯とみそ汁と肉野菜炒めを拵えた。すべて晩ご飯とは手工業的存在である。それなりにできたものの、なんだか料理に元気がないのは、たぶん野菜を細く切り過ぎたせいだと思う。今週も『パイレーツ・オブ・カリビアン』を観る。