改札口まで大行列ができているJR北鎌倉駅のホームをやり過ごし、10時頃JR鎌倉駅で下車。すでに小町通は大混雑。イワタコーヒーにも大行列。とりあえずミカドコーヒーへ。美味しいコーヒーを飲み、ついでにモカソフトもいただく。想像通り八幡宮も混雑。舞台の結婚式にも多数の見物人が集まっている。石段を昇りきったところから参拝するまでの僅かな歩数を進むのに5分かかる。なんとか参拝を終えてみれば雨。空はまだ明るいので、本降りになる心配は無さそうである。八幡宮を離れ、若宮大路を海に向かって下る途中、パン屋でクルミパンなど買ってみる。すでに飲食店での昼食さえ面倒に感じている。雨の心配さえ無ければ海辺で食事とするつもり。八雲神社にも寄ってひと息つく。雨はすぐに止んでしまった。八雲神社の狭い境内を囲む緑は深く鮮やかで目に心地良い。小さな空間にもかかわらず風通しも良いのが不思議。コンビニでビールと酒菜を買って由比ガ浜へ。浜辺はいつもより人影が多いけれども、波が静かで海の上にはむしろ人が少ない。砂の上にビニールシートを広げてビールを飲む。海面はどこまでも平たいガラス板のように凪いでいて、ウィンドサーフィンの羽根が開店前の喫茶店のメニューみたいに奥に集まっている。波打ち際は子犬と小児の社交場と化している。その上空ではトビがおめでとうございますいつもより多く回っております。猛禽群の剥き身の野性に怯える妻は、ローソンの1個増量中の ”からあげクン” を猛スピードで口に運び、おにぎりをさっと齧っては手の平で隠すことを繰り返す。すこし離れた所に座っているカップルが、何気なくケンタッキーを広げて食べ始めたので、見上げたものだと感心しかけたら、ふとした瞬間にトビが女性の手の中のチキンを掠め獲った。女性はその瞬間に何が起きたかわからない。やがて空しくなった手の平を眺めて呆然とする。掠め獲られたはずのチキンは、トビの鋭い鉤爪を逃れて女性のすぐ傍らの砂の上に落ちていた。そこをめがけて無数のトビとカラスが急降下してきては交互に鋭い嘴を砂地に刺し込んでいる。うーむ。量産型エヴァの残忍性がこんな感じだったか。鳥が鳥の肉を食べている様だがその点は問題ないのか。聞き知ってはいたがトビの近くでの食事は非常に危険であることを思い知らされた。人間は襲わないかも知れないが、接触すれば怪我をする可能性が高い。気をつけたほうが良さそうだ。しかしそのカップルは、その後もそこでケンタッキーを食べ続けたのであるから豪気なことである。帰りの混雑のことが気に病まれたので、午後3時前には鎌倉駅を発つことにした。真直ぐ地元まで引き返してきてから、行き慣れた居酒屋で焼酎など飲んで帰る。