カンブリア宮殿』 に、某回転寿司チェーンの社長が出演していた。 「ついに」 という感がある。職業柄というのもあるかも知れないが、自分はジョブフローとか、ワークフローと聞くとついワクワクしてしまう性分である。何処にいてもその場所その場面における運用の仕組みやルールに関心が行ってしまう。トイレのレバーを引くのは誰か、電車と踏み切りの関係はどうあるべきか、町内会の掃除当番はどんな周期で回るのか、そうしたことを想像してはブツブツ言っていたりすることがしばしばある。そうした日々の生活のなかで、待ち合い管理方法、不人気ネタの排除方法、注文用のタッチパネル、皿の回収を兼ねた会計システムなど、以前からこの回転寿司の営業システムの先進性には関心していた。ICチップもかなり早い時期から導入していたはずである。負担の大きさにも関わらず、当たり前のように皿一枚一枚に仕込んだ点の思い切りの良さには敬意を表したい。物理的なシステムだけではない。接客サービスも、常に一定レベルをキープしている。たとえば、こちらは2名なのに空席があれば混雑時でも家族用の広いテーブル席に必ず案内される。立派なものだと思う。
散歩をしたり、食事をしたり、外界に関心を寄せながら、ときどき問題点が見つかれば、自分ならどうするかということを考える。これはなかなか楽しいことである。なぜ楽しいかというと、楽しいように考えるから楽しいのであって、つまり空想の世界に脱線してしまうからなのである。自分の頭は基本的に実業家向きにできていないのだ。だからもしも地球温暖化防止のために、いたずらにレーンを回転させることができなくなった場合でも開店し続けるにはどうしたら良いか、などと考えてみたりするのだが、もちろんまともな対策を検討するわけではなくて、たいがいは消費者側の善意に期待する。できれば建物の外にハンドレバーを設置して、客の持ち回りによる手動式にしたい。それから国際情勢の影響で寿司ネタの入手が困難になった場合に代替物を回転させて営業できないかと検討してみたりもするが、例えば流しソーメンでは意外性に欠けると思うので、これはまだ検討中。そういえば何かのコミックで、”回転式書店” というのがあったが、あれ以上の笑えるネタはまだ回ってこない。