O田女史の提案によって、次は 「歴代天皇」 が良いということで、昼食を摂りながら早速にも第10代まで暗記する。退屈。10個覚えたからもういいかなと思っていたら、皐月賞馬ヴィクトリー号のPOであるM川女史がやってきて、新創刊のGallopを見せてくれる。表紙に取り上げられた馬の顔が、件のヴィクトリー号(と思われる)なので、ついお弁当と一緒に買ってしまったらしい。だからまず表紙をゆっくり見せていただいてから、なかのページに入っていく。ダービーに出走を予定している優駿たちの戦績など流し見つつ、時の移ろいの早さに感慨を深めてみたり。それにしても、木曜日にGallopを買うとは、ずいぶん優雅だなとM川女史にも感心しつつ、そろそろ集計しなければならぬかと目を閉じて胸底に立ち篭める暗雲を凝視してみたり。

帰宅後、恐る恐るPOGサークル 『原宿ターメリック』 の集計をしてみる。大変なことになっておる。震える指先でパソコンの電源を断ち、居間でテレビを点けたまま眠りこけている妻を叩き起こし 「すぐ夜逃げするぞ」 と騒ぎながら雨戸を閉めはじめたら、お留守番してるからむにゃむにゃとか寝惚けたことを言ってやがる。ああもう起きろ、すぐそこまで追手が迫っておるのだぞ、しかもまだダービーという大海嘯が残っておるのだぞ、蟲に囚われて 「きちゃだめー」 とか言っている場合ではないのだぞ、フサイチホウオーも、ヴィクトリーも、アドマイヤオーラも指名されている馬たちがことごとく雪崩れ込んで来てしまいそうな事態なのだぞ、ああ、いったいどうすればこれほどの格差が生じ得るのか。同じ2歳馬名簿から同じようにリストアップして平等にドラフトに臨んだはずなのに、なぜこれほどまでに勝ち組と敗け組との棲み分けが、唐長安と天竺浄土ほどにもかけ離れてしまったのか。いましも我々のあいだを三蔵法師孫悟空が……うーむ。