読んでいる本が丁度終わったので、会社の帰りに池袋LIBROに寄る。存分に買いたい気分だが、所持金が少ないことに気が着いた。読める本の数も限られているわけだし、おそらく2冊までとするのが妥当だろう。いくつかの文庫の棚をぐるぐる回る。同じタイトルなら、解説の多い ちくま学芸文庫 の方が良いと思われるが、岩波文庫の倍くらいの値段になってしまう。講談社学術文庫は独特の品揃えでこちらも興味深いタイトルが並んでいるのだがさらに値が張る。どうにか候補を3タイトルにまで絞り込んでみたが、同時に読めるわけではないし、一度に3冊を買うお金はない。でも3冊とも欲しいのだから困ったものだ。3冊セットで手元に置かないと満たされないような気さえするのに、どうせよというのか。迷い苦しみながらそれぞれの棚を巡回し、手にとって眺め、パラパラめくり、また棚に戻す、という作業を何周も繰り返す。結局、そうして1時間ほど悩んだばかりで、どれも買わずに書店を離れる。電車の中で読む本の無いことに気づき後悔しきり。