春らしい麗らかな陽気に気分を良くしながら、カーペンターズの 『Goodbye to Love』 を聴きつつ 『赤毛のアン』 を読む。午後からは少し日記の整理などしていたら、にわかに冷たい風が吹きはじめ雲行きが怪しくなったので、ベランダに干してあった布団や警戒心を取り込んでみたら、たちまち雷雨。大粒の雨はまるで天から投げ下ろされた石つぶてのように、紫陽花の若葉やベランダの手すりをへこませる。ああこれが晴天の霹靂というやつかも、などと分析しつつ窓外をしばらく眺める。それでいて西の空はいつまでも明るいので、いずれ止むはずと自らに言い聞かせつつ、傘を持たずウィンドブレーカーだけを頼りに、もの凄い強風と時々頬濡らす涙雨のなかを自転車を漕いで出かける。床屋に行くつもりだったがすぐに気が変わって、貸本屋でコミックを借りただけで引き返してくる。雨は確かに日暮れ前までには止んだ。