昨日の夕刊から、本日の朝刊まで、自宅の新聞をよくよく眺め回してみたが、アトランティスの記事は見つからない。Googleで検索してみたが、件の伝説の大陸の発見騒ぎは見つけ出せない。早々に出社して件の彼と今後の狼狽の続け方について相談していたら、隣に座っている後輩の女性が興味を示してきたので、アトランティスキューバ沖の排他的経済水域海底に発見されたらしいことを説明してみると、良かっただいたいその辺にあって欲しかった、とまるで注文しておいたかのような様子で反応した。これまた不思議。じつは彼女はメキシコに旅行したことがあるそうで、それ以来、自分が古代アトランティス文明の栄えていた時代にイルカだったような気がしてならないのだと告白し始めるものだから、またイルカか、と同僚と一緒にあきれつつも、信じてみたいような気がしたり。アトランティスでは、イルカと人間が精神を交換できたとか、イルカは高貴な存在だったともいうから、あながち妄想とは断定し難いのである。
そういえば、10年ほど前に13頭しか確認されなくて絶滅が危惧されていた揚子江ヨウスコウカワイルカは、昨年11月頃に中国の環境保護局が再調査したところ、とうとう1頭も発見できなかったらしい。古代中国世界の記憶の断片もまた、確実に失われつつあるのかも知れない。