またまた眠れず。1時間ごとに目が覚める。結局7時に起床。
朝食後、母を連れて近くの山まで歩き、墓参りをして、さらに馴染みの神社にも足を伸ばして参拝する。そうして母を高知の実家に置き去りにして、叔父の車で空港まで送ってもらう。途中、うなぎ屋に寄り 「特上うな重」 をご馳走になった。「特上のうなぎ」 などを口にするのは生まれて初めてです。

13:35高知龍馬空港発のB767型旅客機の窓側座席のひとつに深々と腰かけて、機内放送で矢沢栄吉の新アルバムの特集を聴く。まあ、あれだな。矢沢栄吉とか長嶋茂男とかは日本の宝であるな。会話におけるあの絶妙な横文字の挿入方法はまさに神業である。

乱気流のせいなのか、飛行機は離陸から着陸までのあいだ、ほとんど揺れっ放しだった。ときどき女性クルーが 「でもフライトには影響ありませんから、残念!」 とギターを持ってアナウンスしたりするのだが、いよいよこれは落ちるかも知れぬなと何度も心の中で弱音を吐いては、またその度に、ゆめ疑ってはならぬ、と自分の胸に必死で言い聞かせたりする。なにしろ、こんな大きな鉄の塊が簡単に宙に浮かんでしまうのは、多分に乗客の信念や激しい思い込みや勘違いに依るところが大きいに決まっているのだ。


  かき曇り夕立つなみの荒ければ浮きたる舟ぞしづこころなし   紫式部


幸運にも羽田に着いたので、すぐに池袋へ直行し、妻と待ち合わた百貨店のトイレで礼服に着替えて、お通夜に参列する。
お清めの後、友人同士で少し飲んで帰る。