西武池袋線椎名町〜池袋間で沿線火災が発生しました関係で、現在、西武池袋線は池袋〜飯能間での運転を見合わせております”という不穏な車内放送を、地下鉄丸の内線のなかで聞いた。そのとき 『ソークラテースの弁明』 を読んでいたオレさまは、とりあえず 「アーテナイ人諸君よ、慌てない、慌てない」 と心の中でつぶやいてみたりしたが、とにかく泣きそうな気分であったことだけは確かである。

池袋駅に着いて、とりあえず西武池袋線の改札まで行ってみたら、やはり大変な人だかりに遭遇した。押されたり、流されたり、打ちのめされたりしているうちに、気が着くと振替輸送のキップを右手に握り締めていた。その薄っぺらな紙切れをさらに強く握り締めて、JR山手線に乗り換えて高田馬場に移動することを決意する。我ながら果断に富んだ行動であるとそのときは思った。

高田馬場駅のホームで鉄腕アトムの主題歌みた様な発車の警報など聴きつつ西武新宿線の急行電車にスムースに乗り替え、いよいよ列車が動き出してみるとすぐに、西武池袋線が復旧したとの車内放送が聞こえてきたのである。○| ̄|_

それでも、立ち止まらないことこそが正しいのだとオレさまは信じる。






かもめのジョナサン