妻と二人で、丸の内線の御茶ノ水駅から、神田、神保町、水道橋、後楽園と散歩する。
天気が良くて、しかも人通りが少なくて、なかなか快適だった。
こんな日を待ち焦がれていたよ。

古書店をまじめに見て回って、黄色い箱に文字しか書かれていない書籍で積み上げ
られた無数のバベルの塔を見上げながら、自分が 「本」 というモノのことを実は
何も知らなかったのだったと気づかされ、しばらく言葉を失ってしまった。
オレさまはこれまで一体何を読んできたのか。

古書店だけではない。新刊本しか扱っていないため、いままではあまり近寄ろうと
せずにいたのだが、三省堂書店の4階あたりの品揃えはかなり興味深いことが判明。
なぜ自分はこのビルに住んでいないのかと、何度もこの世界の成り立ちを疑ってみる。
建物を出てもしばらく興奮していたら、「1冊買ったら1冊捨てる」 と妻が、地面の
マンホールの蓋に向かって、きっぱりとした口調で独り言を投げ捨てた。
たやすいことだ、そのくらい。

水道橋で昼食をとったが、それ以外はいろいろ歩きどおしで、
書籍2冊(伴田良輔諸星大二郎)とCD1枚(40番ト短調)を購入。