午前中は病院に行ってみた。本日の内科の担当は、その病院の理事長で、
吉田茂佐藤栄作を足してみたが割り切れないような複雑な表情をした人だった。
いろいろ状況を説明して、血液検査などもしてもらったのだが、まあ、
まだ最悪の状態ではないらしい。「そのうち治るよ」 などと診断されて、
まあ、その気になって帰ってくる。

日の当たる居間で新聞の切り抜きなどしながら待っていた妻に、
割り切れない気分をなんとか伝えようと努力しながら診断結果を報告すると、
「じゃあ床屋へ行ってくれば」 と促されてしまう。そんなことすっかり忘れていた。
割り切れない気分のまま、しぶしぶ駅前の床屋へいって、思い切ってばっさりやって
もらってみれば、なんだか病気までばっさりと斬り捨てられたような気がしてきた。

帰りに本屋へ寄って新書を一冊買う。『漢文の素養』 というやつ。
帰宅してみるとすでに妻はスポーツクラブへ出かけたあとだったので、
オレさまも、支度してスポーツクラブへ行ってみる。

朝には病院で診察を受けていた人間が、どうして夜にはスポーツクラブへ行けるのか。
”朝に道を聞けば夕に死すともかなりOK” という孔子の覚悟とは違ったもので、
まあ、つまり、多少でも元気なうちに体力をつけておきたいのである。
1時間ほど運動して帰っくると、夕食を摂ったのちまた腹痛に襲われた。