午前中は、布団のなかで 『巧名が辻』 の新しい配役について考える。

昼頃になって、ネット掲示板に張り付いて実況を照会していたのだが、
今日がデビュー戦だったテューダーローズは6着。悪い予感がしていたとおりの結果
だったので、ぜんぜん驚かない。ぜんぜんびっくりしない。手が震えているのは、
寒さのせいだし、心臓が高鳴ったり、頭がぼ〜とするのは、風邪気味だからなのである。

風邪気味にもかかわらず、妻の誘いにのって自転車を漕いで駅前に出てみる。
ペダルをくるくる回しながら、「6着」 に関する善意的解釈についての試みを試みる。
信号機を仰ぎ見ては 「6着」 、ケーキ屋の時計の遅れを確かめては 「6着」、
アスファルトの亀裂の上で飛び跳ねては 「6着」 、テューダーローズ6着という現実は
どこまでも追いかけてくるのだった。オレさまの薔薇戦争が終わろうとしている。

とりあえず、妻と一緒に駅前の書店に入る。
また文庫を1冊買ってしまった。立派な病気である。

それから中華飯店に入る。
オレさまは中華丼定食を、妻は五目そば定食を注文する。
妻の定食についていた春巻きを分けてもらい、変わりに中華丼を一口わけてやる。
食事が済んだらいよいよ、ぼ〜としてきたので帰ることにする。なにしろ6着である。

帰宅して、とりあえずコタツで読書。寝たり読んだり寝たり寝たり……読んだり!
寝たり寝たり……ひと眠りしたら体が軽くなったが、すでに外は暗くなっていた。
なんだか損した気分になる。

夜、ぶつぶつ言いながら 『西遊記』 を観る。
深津絵里がおらんかったら、とっくにチャンネルを変えているところだっ!
と、放映中に何度も、画面に向かって叫んでは立ち上がる。

結局最後まで観てしまい、ぶつぶつ言いながら早めに床につく。
寝る前には 『千一夜物語』 を読む習慣にしてあったのだが、
今夜は 『西遊記』 を拾い読みしつつ泣き疲れて眠る。