電車を乗り継いで、小平霊園のそばにある角上漁場とかいう大きな魚屋へ行く。

行ってみると、フロアの中央で店員が大きな包丁で大きなマグロを解体していた。
見慣れた魚の姿はしているが、身の丈1mを超える巨大な潜水艦である。
周囲には、口を開けた人間の子供達と人間の大人達が大勢集まっていたのだが、
ふとオレさまの隣に滑り込んできたおばあさんが、俎板の上の魚を一瞥してから、

「あらマグロ、足が美味しいのよねえ」

と捨て台詞を残して去っていった。
少し考えたのち、しばらくその場を動くことができなくなった。