夕食に茶ソバをすすりながら、妻がビデオ録画しておいたという映画を観る。
途中から録ったようでタイトルも分からぬが、立派なB級映画と思われる。
妻は再生開始後10分で眠ってしまったが、オレさまは中に出てくる準主役
の天使の容姿があまりにも美しくて最後まで見惚れてしまった。

この天使は、ピーピー鳴くだけで言葉が喋れず、折れた片方の翼が痛々しく、
少し知恵が足りなそうでもあり、まるで白い小鳥のようである。
オレさまはいろいろ忙しかったのだけれども、ストーリーも平坦で、意味なし、
ヤマなし、オチなし、という揃い踏みで、あと5分だけ見たら消そう、もう消そう、
と思い続けながらも、なぜか最後まで見てしまった。

本当にきれいな女性だったな。
ただ、天使が天使でいる間は喋れなかったのだが、最後の最後で普通に人間の
姿に変わって(ネタバレごめんなさい)、人間の言葉を喋ったときには、
その俗っぽさにがっかりさせられた。

「神様に休暇をいただいたの。”二人で音楽を作りなさい”って仰ったわ」

ああ、その仕草や台詞の俗っぽさにがっかりだ。
そういえば 『LOVERS』 のときも、これに似たような幻滅を味わったな。
喋れないほうが良かったり、見えないほうが良かったりするのは何故か。

ビデオを見終わって、寝る前に今日の朝刊の番組欄を調べてみたら、
テレビ東京のところに 『天使とデート』 という映画の枠が見つかったので、
たぶんこれだったのだと思う。天使役の女優はたぶんエマニュエル・ベアール
本当に天使というものが存在するとしたら、こんな美しさなのだろうかと、
想像させるほど目映い白さだった。

けれども、もしもオレさまが製作側にいたら、実は彼女はアンドロギュヌス
むしろ男性なのだった、というところまでネタを膨らませたに違いない。
これが少女マンガだったなら間違いなくそういう設定になっていただろう。
そういうややこしさは、日本の少女マンガ家に妄想させたら世界一だと思う。

いちおう寝る前に、インターネットにつないでみたら、
OCNから2ちゃんねるへのアクセス禁止が解除されていた。
また2ちゃんねらーに成り下がるのか。
まったく、自分の俗っぽさにはがっかりだ。