中国語に興味が湧いてきた。
となりに座っている新人のO田女史が、学生時代に中国語を勉強したそうで、
ちょっとしたきっかけに中国語の基本的なことを教えてもらっているうちに、
O田女史があまりに懐かしそうな表情で楽しんでさえいるような様子を見て、
たちまちオレさまも中国語が好きになってしまったのである。

オレさまは他者の影響を受けやすい。

小学生のときに、同級生のS井君が 『船乗りクプクプの冒険』 のストーリーを
話して聞かせてくれたときにも、たちまち北杜夫のファンになって手当たり次第に
北杜夫の文庫を読み漁った(でも他の書物にはまったく関心がなかった)し、
手塚治虫ビートルズも、小学生のときにoscarに薦められたのがきっかけで、
両方ともすぐにファンクラブに入会してしまった。

中学のときにFに 「バンドやろうぜ」 と誘われたときも、彼がエレキギター
弾いていたので、つい自分もエレキギターを買ってしまった。仕方がないので、
オレたちのバンドの演奏形態はKISSみたいなツイン・ギターになった。
ハイウェイスターなんか交替でソロを弾いた。

とにかく、サッカーファンと友達になればサッカー部に入り、鉄道マニアと遊ぶ
ために時刻表や 『鉄道ファン』 を買い込み、オケラオーに誘われて競馬場に
行ってみれば、翌週から毎週競馬ブックを買うほどのめり込んだ。
オレさまはもしかしたら典型的な日本人なのではないか。

とにかく相手を試すようなリトマス試験紙ですらない。ひたすら相手の色に染まら
ずにいられないカメレオンあるいは安物の白いTシャツなのである。もしも誰かが
オレさまに 「オレあの娘が好きなんだ」 などとうっかり吐露しようものなら、
たちまちオレさまがその恋敵と化してしまうこと実績にして十数回。うーむ。
今までよく生きてこられたものだな。

気まぐれな妻が中国語のCD付きテキストを持っていたはずなので、
帰宅して、妻に某書籍の所在をを尋ねたら、今日、大泉学園の書店から電話があって、
予約してあったハリーポッターが予定通り入荷したので引き取りにこいと言って
きたらしい。おいおい。1ヶ月くらい遅れると聞いていたものだから、
もう 『フランケンシュタイン』 を読み始めてしまったよ。