早起きをして、しばらく妻と話し込んでいた。

昼頃にジョギングに出かけ、走りながらPOGの1位指名を決めた。
爽やかな気持ちで帰ってきて、爽やかに入浴し、それからしばらく眠った。

夕方に目が覚めて、突然降りはじめた雨をしばらく眺めていた。
百万の天使が裁きの槍を地上に投げ下ろしているかのような、
とても激しい降りだったが、迷いのない美しい雨だった。

雨音を聴きながらまたうとうとする。
水滴が軒先を叩く音、クチナシの木の葉を叩く音、車のボンネットを叩く音、
アスファルトを叩く音、遠雷。黙示録に書かれた大きなけものの咆哮のような、
厳かな遠雷。自分は裁きの雨を逃れようとする罪人なのだ。

そうして夜が来た。
カラスの脅迫的な羽音で目が覚めた。わずかな時の流れの間に雨は止んで、
水に覆われた世界は、生まれたばかりの金属のように押し黙っていた。

静かな夜。POGの2位指名馬について考える夜。
村上春樹の ” 世界の終わり ” に呑み込まれたような夜。