帰り道、バス通りをマスクをしながら歩いていて、
ふと見上げた夜空に低くたなびく雲が、シマウマを狩る二頭のライオンの姿に見えた。
アフリカのどこかで実際にあった出来事を映しているのかも知れない。
自然の腕に抱かれて死んでいくシマウマが少し羨ましく思えた。

いまさらだが、岡倉天心の 『茶の本』 の訳本を読み直してみた。
「真の美はただ”不完全”を心の中に完成する人によってのみ見いだされる」
こんな大切なことをすっかり忘れていた。