定時後、Y山さん、Y成君と3人で飲む。皐月賞を展望する鼎談。両国の 『酔歩』。
新聞が必要だということで、コンビニで東スポを購入。小銭がなかったのでY成君に立て替えてもらった。
後輩に東スポ代金を支払わせる先輩というのは、客観的にみて情けないので、
せめて良い馬券を教えてやろうと思ったのだが、飲み始めたらいつの間にかわさび醤油に〆鯖を浸しながら、
競馬もほどほどになさいよ、などとつまらぬ説教を始めていた。

Y成君はゴールデンウィークに京都に行くらしい。Y山さんがニヤニヤ笑う。
さてはそこまで本気でアイポッパーを応援しているのか、とオレさまもつくづく感心していたら、
二人の表情を素早く読み取ったらしく 「観光ですから」 と彼は付け加え、
わざわざ京都まで行って競馬をする気はありませんからと強く念を押してきた。

どうやらY成君は純粋に京都が好きらしい。なかなか都会派。
よしよし。そういうことならば京都観光はオレさまの超得意分野である。
どのあたりが良いか教えてやろう。 すべからく先輩というものは教えたい存在なのだ。
へえ、ではどんなところが良いですか?

「まずは清水寺

と答えたら、もう結構ですと断られた。
待て待て。いまのはキミの京都観光者としてのレベルを計ったのだ、清水寺でその反応なら及第だな、
少しレベルを上げてみよう。大きなお堂の知恩院、テレビCMになった青蓮院、大原の三千院は悪くないよ。

「本当ですか」

あなたの言葉には常に重みがありませんからねえ、と実にディープかつインパクトのある指摘をされたので、
これまでの後輩との接し方に問題があったことを悟り、今後は 「なまり」 を混ぜて喋るごとにすた。
「なまり」 さ入れればちっとは重ぐなるべさ。

Y成君が持っていたサービス券で、焼酎ボトルを1本入れる。Y山さんの希望で水割りセット。
ひたすら後輩におんぶする先輩たち。しかも先輩の説教はラストオーダーまで続くのであった。
すべからく酔っ払いの先輩というものは説教したい存在なのである。

皐月賞の予想については 「弥生賞の再現」 というだけに留めておくつもりだったが、
つい、ヴァーミリアンに気をつけろ、などと口走ってしまった。