とにかく早起きをして、youtubeで『パッヘルベルのカノン』の第1バイオリンだけを演奏している動画を見つけ出し、携帯電話にコピーしてそれを聴きながら出社する。これだけを聴いても面白くない気がするが、妄想力を最大限に駆使しつつ、これが空中に2本、3本と重なっていく様子を思い浮かべてみれば、小さな休符にも重要な着想が見え隠れてして大いに驚かされる……と頭の中で利いた風なことをブツブツ言ってみたり。そのうち、バイオリンの先生が生徒にカノンを伝授する様子が頭に浮んできたり。
先生:では、私の後についてこのメロディーを弾いてみて(♪〜)
生徒:(♪〜)こうですか。
先生:……けっこう巧いね。じゃあ、次は……
生徒:(♪〜)
先生:うん(♪〜)……よし、君が先に弾きなさい。
生徒:わかりました。では(♪〜)
先生:ちょっと(♪〜)待って、ちょっと、速いかな。

まあ、いいか。