午後からなんとなく息苦しいと感じていたら、退社する頃には雨が降っていた。傘を持っていなかったので駅まで走る。利休七則の”降らずとも傘の用意”という言葉と”備えあれば憂いなし”という言葉とは、似ているようで意味が少し違うらしい。誤解される例としてよく引用される”情けは人のためならず”という言葉と三つ巴で、頭のなかをグルグル廻る。大人は雨に降られて走ったりしない。ヘビメタもフィロソフィアも雨に降られて走ったりしない。ハンカチでコートの袖や頭を拭いて静かに電車に乗り、乗り継いだ電車が地元の駅に着く頃には雨は止んでしまった。『悲しみの歌』読了。引き続き遠藤周作『白い人・黄色い人』『イエスの生涯』購入。