会社帰りにまた池袋のLIBROに寄る。探し物は見つからない。何をしておるのか。漢和辞典など立ち読みしてみる。つまらない。いい加減あきらめて、コミックのコーナーに移動してみる。そういえば、今市子の『萌えの死角2』のなかにあった”時計を出したまえ”のネタは、すっかり『ポーの一族』からの引用だと思い込んでいたが、『ポーの一族』を読んでみてもイメージが一致するコマが見つからないので(時計を盗むエピソードはあったけれども)、もう一度今市子の作品のほうを確認してみたら、そこには『トーマの心臓』とはっきり書かれていた。どこでどう間違ったものか。近頃こんな勇み足が多い。先月の読書会でも、芥川龍之介が小学校時代に「美しいものは”雲”」と教師に答えたエピソードを、誤って石川啄木のものとして紹介してしまった。後で誤りに気がついて慌てて読書会のメンバーにお詫びのメールを発信したのだったが、あのときもどうやら反省しかできていなかったようだ。濫読なうえに、不精な性格だからこうなるのだと、心のなかの柄杓で心のなかのオジギソウに水をやる。その『トーマの心臓』は、しかしLIBROには無かった。『主に泣いてます』(1)、『綿の国星』(1)を購入。『綿の国星』は”わたのくにほし”と読むのだったか。ちゃんとメモしておこう。