舞い散る桜花が我が胸をかき乱す。桜の待つ所なら浅草の団子屋の店先でも、テキ屋の広げた風呂敷の前でも、北町奉行のお白洲のムシロの上でも何処でもよかったのである。押し寿司と缶ビールとビニールシートを持って、とにかく近所の公園に乗り込んで花見を敢行。桜舞い散る青空の下とりあえず乾杯。とりあえず寿司。とりあえずビール。とりあえず桜。ひらひらと桜。たちまち眠くなって夢を観たり。目が覚めて何とは無しに途方に暮れたり。