IT業界には、”スパゲティ” という表現があるが、先日データ管理室を見学してきた関西出身の後輩の女性は、室内に縦横無尽に敷かれた剥き出しのケーブルを見て、ソーメンみたいや、と素直に感想を述べたところ、管理室の人に ”スパゲティ”と訂正されたらしい。その話を聞かされたオレさまは、日本人ならスパゲティよりソーメンだよねえ、と同調せずにおれなかった。全くのところ、分数の説明のためにケーキを分ける話を持ち出されるよりも、お豆腐やお羊羹を切る話のほうが、より親近感が持てるような気がするではないか。オブジェクト指向の話をするときにも自動車などで喩えるのではなくて、無理にでも情緒あふれる ”鹿威し” など引っ張り出してみせてほしい。近代化や欧米化の勢いはもはや圧倒的と思われるからこそ、意識して強く抵抗していかなければわが伝統文化は守れないのである。とりあえず夕飯は味噌ラーメン。