もともとは昨日から旅行に行く予定だったが、気分が乗らないのでキャンセル。そういうわけで今日は自由な休暇となった。妻に誘われ、自宅から1時間ほど自転車を漕いで、小金井公園には昼過ぎに到着。人がほとんどいない。”たてもの館” もお休み。とりあえず緑あふれる公園内を一廻りしてみるが、なにより空腹であることばかりが自覚されたのでまず食事をしようと提案。自分としては売店の天麩羅そばが第一候補だったのだが、せっかく旅行をキャンセルしたのだから、もう少しリゾート気分を想像で補えるような食事をしようと妻が主張する。近所を探してうってつけのベーカリーレストラン 『サンマルク』 を発見。若き主婦らしき多数の女性組がほぼ全ての食卓に着席している。運よく席が空いたようで入れ替わりで案内される。この時点で夫婦合わせて所持金が4千円しかないことが判明。慎重にランチセットを2つ注文する。一口サイズの美味しいパンが食べ放題とはいえ、人間の体には限界がある。勧められると拒むことが出来ない妻が、9個目を皿に乗せてもらったときにはさすがにもうやめておけと制止しなければならなかった。

満腹を抱えて、再び小金井公園へ凱旋。妻はさっそくベンチで本を読みたいというので、そんな軟弱者は放っておいて、自分はサイクリングコースに自転車を乗り入れる。もちろん坂道のある大人のコースである。
下れ坂道、離せブレーキ、おまえは風だ、風になるのだ、千の風になって……これは違うか。この躍動感。この爽快感。ほら、鈴懸けの樹も微笑んでいる。どこまでも行けそうな気がする、どこまでもどこまでも行けそうな気がするけれども3周くらいしたところで飽きたので、自分もベンチに戻って妻の隣に腰かけて本を読む。
妻の勧めで靴下を脱いで素足になる。とても気持が良い。目の前の草原で、幼児の姉弟が二人でかくれんぼをしている。こんなに広くて見通しの良いところでも子供はそれなりにかくれんぼをして遊ぶ。もーいーか! まーだだい! という小さな子供の大きな遠吠えが耳に心地よい。16時過ぎまで、ベンチでくつろいでから、また1時間ほど自転車を漕いで帰ってくる。