昼過ぎに起床。まだお酒が残っている。とりあえず府中競馬場にいるはずのTAD氏に電話する。元気に電話に出たTAD氏は、あの後も張飛さん夫婦と3人でもう1件行きましたーと笑っている。朝5時まで飲んでいたそうだ。うーむ。「いまどこですか」 と聞かれたので、残念ながら自宅におりますと答える。叶うことなら自分も府中に行きたかったのだが今回もパス。次の機会こそは必ず同行させてくださいとくれぐれもお願いして電話を切る。

たとえ二日酔でも、妻のほうは許してくれない。隣駅まで買い物に行くのだから支度せよと騒ぎ立てる。とても電車やバスには乗れる気がしないので、天気も良いことだし、隣の駅までは歩いていこうじゃないかと提案する。そういえば昨日の会話でカメラの話が出たので、川沿いの長閑な遊歩道など歩きながら、ひとつ風景写真など撮ってみようよとデジタルカメラなど携えて出かける。太陽はムルソー君の頭上にあったときのように眩しい。

紛れ込んだ住宅街は静かだった。川の水音が水音ですとはっきり聞こえるほど静かだった。道端に微笑ましく咲いているのは、例えばパンジーみたい何かであったり、マーガレットみたいな何かであったりする。ああそうだ、カメラだ。ここでカメラだ。といって花を撮るのはつまらない気がする。シャッターチャンスが欲しい。そう思ってカメラを手に頭痛神経痛を研ぎ澄ましつつ歩いてみれば、たびたび鋭く被写体を捕らえたりもするのだが、二日酔いで反射神経が鈍っているせいか、カラスを撮ろうとして電線を撮ったり、モンシロチョウを撮ろうとして空き缶を撮ったり、カナヘビを撮ろうとしてゴミ箱のフタを撮ったり、アヒルを撮ろうとして河童を撮ったり、電車を撮ろうとして電車が通り過ぎたばかりの鉄橋を撮ったりしたあたりで、いい加減あきらめる。

買い物は瞬時に済んで、ついでに図書館で本を借りる。夕方、帰途につく頃にはだいぶ元気を取り戻していたので、ラーメン屋で軽く夕食を済ませて帰る。いい加減 「ちょっと頂戴」 というのはやめてもらいたいものだ。