昨日が立春ということで三種会。神田にある 『嵐坊』 とかいう宮崎地鶏の店。何もこんなインフルエンザ疑惑がもちあがっているときでなくとも、あるいは知事選の熱の覚めやらぬときでなくても、というところがポイントなわけですよ、とO西さんがさっさと決めた。

生ビールをがっと飲んだ後、『元老院』 という芋焼酎のロックを注文したら、グラスの縁までなみなみなみと注がれてやってきた。素晴らしい。これが本場の心遣いなのである。やはり美味しく焼酎を飲みたいときには、九州人が経営しているお店に行くのが、最も正しい選択なのかも知れない。砂肝の刺身とか、鳥皮炒めとか、料理も楽しく焼酎のロックを4〜5杯飲んだら、もうだいぶ酔ってしまって、気が着くとO田女史あたりと口論していたりする。会話の途中で、BGMに杉良太郎 『明日の詩』 が流れたときだけ、強引に会話を止めて、各自に静聴を促したことはよく記憶している。

さすがにもう飲めないやというくらいまで飲んで、皆で中央線に乗って帰ってくる。途中、自分だけ別れて私鉄に乗り替えたわけだが、地元駅まで向かっていたはずのところを、いつのまにかまた乗り過ごしてしまい、また、ざざーと冷や汗が背中を流れる。もはやすっかり酔いは醒め、しばらく列車に運ばれるまま見知らぬ窓外の暗闇を心細く眺め、やがて停車したどこかの駅で、反対側に停車中の列車に大急ぎで転がり込むと列車はすぐに逆方向に動き出す。それが上りの最終電車であると知り、また、ざざーと冷や汗が背中を流れる。恐いよう。