倉庫で働いている夢を観た。ひとりきりで、機械を操ってダンボールの棚卸しをしてはまた積み上げる。以前から話し相手が欲しいと思っていたので、ある日突然、ダンボール箱の一つが喋ったときにはとても嬉しかった。実際にはダンボールが喋ったのではなくて、その中の緩衝材が喋ったのだった。自分は何ものか、自分ひとりだけでも存在する意味があるのか、そんなようなことを言っていた。胸に響いた。すぐにダンボールを開け、自我に目覚めたその緩衝材を取り出して、思い切り抱きしめた。そこにはわずかな弾力と、確かな手ごたえがあった。

職場の歓送迎会。『漁火』。ガンダムの話で盛り上がっている同僚や後輩の姿を眺めて、一人ニヤニヤ盛り上がる。マニアは良い。ヲタクは素晴らしい。岡田斗司夫の言うとおり、匠の眼、粋の眼、通の眼、3つの眼がしっかり駆使されている。それにしても、IT業界だけのことなのかも知れないが、ガンダムを知らずにこの日本を生きていくのは難しくなった。少なくとも 「通常の3倍」 とか、「あんなもの飾りにすぎません」 とか、「私にもバグが見えるぞ」 とか、そうした表現には敏感に反応したい。可能であれば、初代だけでなく、ZZとか、ウィングとか、SEEDまで手を伸ばしておきたいものである。