目が覚めたら、丹波哲郎が他界していた。いよいよ霊界に向かったのである。信じようと信じまいと。それからもう一度目が覚めたら、すでに遅刻が確定していた。慌てずに身支度をして出かけようとしたら、妻に呼び止められた。メガネを忘れていた。自転車で駅前の有料駐輪場まで行って、チケットを買って中に入っていったら、係りの人が追いかけてきた。”満車”という看板が、しっかりと入り口に立てられていた。全く気づかなかった。意外にも動揺しているのか。