深夜まで残業。終電で帰ってくる。

オレさまの両親は晩婚だったようで、二人が30歳代のときにオレさまが生まれた。しかしその両親が生まれたときには、双方の両親(オレさまの祖父母)はまだ20歳前後だったようだ。そのまた両親、曽祖父母がさらに20年前に生まれたとして、オレさまから遡って、両親が生まれ、祖父母が生まれ、曾祖父母が生まれ、そのまた両親が生まれ、さらにその両親が生まれるまで、約130年間の時の流れを遡ってみる。

いまから130年前とは、西暦1876年(明治9年)である。幕府が倒れ国民が洋服を着たり牛肉を食べたりしはじめた文明開化の時代に青春を過ごし偶然か必然か互いに愛し合った64名の男女がいて、その64名もの男女の、ある種の共通の願望が、遥か130年後にこのオレさまとして結実しているわけである。うーむ。草葉の陰で、がっかりしてやしないだろうか。まあ、いいか。とにかくその時代にタイムワープして、その64人の先祖たちに相談したいことがたくさんある。いや、その子供の世代の32名でもいいか。とりあえず左腕が鉛のように重いです。