普通に出社。職場のG1予想大会をみごと制したオレさまなので、ふんぞり返りながらフロアをしばらく練り歩く。会う人、会う人に、昨日階段から落ちてできた右腕のあざを見せびらかしたりする。いや実はさ、昨日うちの村の田んぼに突然タタリ神が現われてさ、みんな慌てちゃったもんでさ、オレが弓でさっと射殺したらこんなことになっちゃって……

「昨日の牛クンのことを思い出すたびにこの傷が疼くんだよねー」

と最後はO田女史に訴える。たとえ冗談半分でも、アトラクティヴが良いと奨めたのはO田女史だからな。ジブリ映画なら完全に暗記してしまっているO田女史は 「触れるな。ただの傷ではない」 とか 「黙れ小僧、おまえにサンが救えるのか!」 とかひとり俯いてブツブツ言っている。