皐月賞に挑戦したキャプテンベガは普通に負けた。負けるならきっとこんな風に負けるのだろうなあと想像したとおりに、とくに見せ場もなく、ただひっそりと、人知れず、いつの間にか画面の端へと、流しソーメンのように流れて消えた。さようなら。

駅前のショッピングモールへ靴を買いに行く。通勤用のやつである。店内に備え付けの靴ベラを振り回しながらあれこれ高そうなクツに左足を突っ込んでみたり、ブツブツ文句を言ってみたりしていたら、かたわらで洒落た服装の青年が真白な革靴を手に持ち上げてじっと考え込んでいる。実に優柔が不断していそうなタイプだったが、じきに業を煮やした若い女性店員が青年に近づいて、どんな用途の買い物かと尋ねた。じつは面接用だという。店員、慌ててどんな面接かも確かめずに、青年の袖を引き黒い革靴の並ぶフレシュマン・コーナーの棚を示しつつ、面接とはすべからく無難であるべきと主張した。青年、今度は黒い革靴を睨みつつ悩み始めるという次第である。うーむ。ここから得られる教訓は「どっちもどっち」ということ?

妻を伴って、いつもの店で飲む。いつも、といってもしばらくのご無沙汰ぶりだった。
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この 「泉屋」 の店長という人がとても創意に溢れた人で、焼酎や料理へのこだわりばかりでなく、店内のインテリアに関しても、ランプからポスターに至るまで、すべて自分でデザインしてしまうという粋人である。さらにこの店長の奥方というのが、ときどきホールに現れることがあるのだが、彼女の気配りにはほとほと感心してしまうもので、彼女がホールにいると本当に帰りたくなくなるくらい落ち着くのである。その女神は、今日はいなかったけれどな。

とりあえずオレさまは『魔王』、それから『侍士の門』、そして黒糖焼酎『朝日』という感じ。妻はいつものように 『百合』から始まって 『すんくじら』のお湯割りなど。オレさまは最後に『干し芋』とかいう芋焼酎を注文したのだが、これが本当に ”雪ん子” みたいな味がして、なかなか強烈だった。素人にはオススメできない。