昼頃から、義弟の大作君夫妻が子供二人を連れて遊びに来る。
焼酎をがぶがぶ飲んで、ついでに子供の遊び相手をする。
子供が一生懸命に食べたり泣いたりしている姿を見るのは楽しい。

女性達はときどき上の子に促されて、近所の公園に出かけていった。
下の子のほうは、オレさまと大作君の二人で、芋焼酎を飲みながら、
多少面倒をみてやった。まだ1歳になったばかりの幼児は、狂喜しながら
部屋中を這ってまわった。おかげで部屋の中の全てのものがヨダレ
だらけになった。

そのうちに、雨が降ったりして、上の子が泥だらけになって帰ってくる。
なぜか障子が破れ、ビデオテープが散乱し、ハリーポッターのUNOは
くちゃくちゃになり、ポテトチップがばら撒かれ、根気よく片付ける度に
また空しく同じ行為が繰り返される。シジフォスの幸福を疑う。

事態に腹を立てながらも、なぜか自分は、子供を膝に乗せて ”飛行機”
をしてやったり、手を引いて歩き回ったり、そろそろ子供を食べる時間だなと
脅かして喜ばせたり、ラーメンを1本1本食べさせてやったりしている。

夜9時頃まで大騒ぎしたのち、大騒ぎしながら帰っていった。
へとへとになった。