目覚めれば銀世界。白銀と、アスファルトの見え隠れするところの黒と、
じょうろの水色と、消火器の赤と、隣の自転車のフレームの青の世界。

会社は休むことにしたはずなのに、オレさまの中に封じ込めたはずの
ルーシェレンレンが勝手に身支度をして家を出てしまった。
気が着くと音のない世界を自転車で走っていた。

さっさと仕事を済ませて今日もスポーツクラブへ行ってやろうと
思っていたのだけれども残業。財布の中の1万円札をくずしたくて、
帰り道の途中のTSUTAYAで、『のだめカンタービレ』 の1巻を買う。
以前からずっと気にかかっていたのである。