テレビは見ない主義だが、全く見ないわけではない。
日常会話のなかで古いギャグを使ってしまう状況はちょっといただけないので、
できるだけ新しい芸人のネタなどに触れておくように心がけている。

それでも、近頃はそれも億劫になってきた。どんな時代でも、大衆ウケするのは
レイザーラモンHGのようなストレートな芸(ストレートなゲイって何かヘン)
だったりするのだ。やはりテレビ特有の狂騒にはついていけない。

ちなみに現存する芸人のなかで、最もハイクオリティーなネタを発信しているのは、
あるある探検隊” の 『レギュラー』 の二人ではないかと思っている。
「傷口見てから痛くなる」 とか 「ヒントのつもりで答えいう」 とか
「すべてを忘れるために寝る」 など、わずか13文字という短いセンテンスで
的確に笑いのツボを刺激してくるのだから、これはもの凄い力量である。

アンジャッシュのように前フリが長かったり、陣内孝則のようにセットが大掛かり
だったりすることもなく、着流し姿にギターを抱えて奇を衒うようなこともせず、
身体ひとつあればたとえ風呂場にいようが、知床半島にいようが、笑わせる準備は
いつでもOKである。しかも、観客に対して多少の知性をさえ要求している点で、
吉本新喜劇の系譜からも一線を画している。

これまでに見てきた数多の芸人の中でも、レギュラーの技能はトップクラスだ。
レギュラーと似た路線でオリエンタルラジオも人気が出ているが、”武勇伝” の
キレは ”あるある探検隊” のそれよりもやや甘いように思う(武勇伝も好きだけれど)。
もしも、今の質を保ったまま老齢まで ”あるある探検隊” を続けることができたなら、
文化勲章をもらえるぞー! 間違いないっ!(これももう古いのか……)