パソコンなんて要らぬわ。パソコンなど無くても乾杯できるし、
電車に乗れるし、ニ度寝できるし、スキップできるし、パンも焼ける。
くだらないよパソコン。

スキップしながら出社してみれば案の定、なんでも先輩に貸し与えてしまえば
良いのだと思っているO田女史が、例のファイナルファンタジーのDVDを
持ってきた。さあ貸して差し上げましょうと言ってくれるが、パソコンが壊れて
DVDも観られなくなったので、憂鬱な気分に憑りつかれながらそのとおりに
説明すると、なかなか信じない。そうだろうとも、パソコンの電源が突然切れて
目の前が真っ暗になってしまうことなど、本来あってはならない、人生の想定の
範囲外の大悲劇なのである。

でも本当なのだよ、と悲しみを乗り越えながら、あらためてその時の気持ちなど
の描写を加えつつ説明を繰り返すのだが、ぜんぜん信じてくれない。オレさまに向け
られている彼女の視線は、まるでウソつきの常習犯に対するような疑念に満ちている。
ああ、後輩との接し方を誤った、とロシア・バルチック艦隊でもしないような大後悔
をしながら、いやだから本当なんだから、と根気よく説得を続けると、

「ではPS2を買いましょう」

まるで、パンがなくばケーキを食べよ、というマリーアントワネットばりの
無邪気にして罪深き発言に呆れながら、もはや説得の余地を完全に見失う
ところまで行きかけてしまったが、O谷夫人への転送という形で、なんとか
DVDの落とし所を見つけることができたのである。

Y山さんに教えてもらったところ、
アドマイヤメインは2着だったらしいが、大作君指名のスーパーキャノンや、
Y山さん指名のウインイージス、シルバートレインは揃って着外だったようだ。
そういうことならまあ仕方ないか。

夜は、出版社に転職したK藤女史を囲んで飲み会。錦糸町の 『わん』。
メンバーは、K藤女史、O田女史、T女史、O西さん、M村君、そして
オレさまの計6名。

あいかわらず体の小さいK藤女史は、その控えめな挙措からは想像もつか
ないほどに残虐だったということが判明して愕然とする。なんと彼女は、
イナゴ、カエル、トド、カンガルーなどの肉を食べたことがあるというのだ。

 カ ン ガ ル ー !

うーむ。

 ト ド !

うううーむ。

しかも飲んでいるお酒の銘柄は 『黒さそり』 である。
うーむ(汗)。