また7時頃に妻に起こされたが、身体がついていかず、午前中はぼーっと
していた。天気がとても良かったので、妻はまた洗濯機を回していた。

昼頃にやっと元気がでてきて、妻を連れて近所の公民館へ選挙に行った。
それから、そのまま駅まで歩き、電車に乗って、所沢の古書市を冷やかす。
会場にはビートルズが流れていて、久しぶりに聞く懐かしいメロディが、
ちょっと嬉しかった。

探索中の広瀬正の 『マイナス・ゼロ』 は見つからなかった。澁澤龍彦
『思考の紋章学』 の文庫を見つけて、つい買ってしまいそうになった。
ひと通り眺め終わってから 『広告批評』 のバックナンバーを1冊と、
コミカルな挿絵のついたアメリカンジョーク集の小冊子を2冊買った。
3冊計735円也。

ふいに妻が体調の不調を訴え、くすのきホールの8Fにある古書市会場の
広い窓から外を眺めると、西の空が深い池のように澱んでいる。やや不穏。
さっさと切り上げて、自宅まで帰ってくる。吹き荒れる風、舞い踊る雨粒に
恨み言を投げ付けながら、横断歩道で待たされる間も、夫婦の頭を占めて
いたのは、ベランダに残してきた洗濯物たちである。

終盤はやや駆け足で帰宅すると、なんとか洗濯物の保護に成功した。
やがて雨は強まり、そして止んだ。開いた口がふさがらない。

妻はそのまま寝室へ行ってしまった。オレさまも畳の上に横になって、
『驚異の百科事典男』 を読んだり、ときどき居眠りしたりしながら、
そのまま夜まで過ごす。今日でやっと 「S」 の章 までたどりついた。