朝は少し雨が降った。
南方のジャングルに落ちそうな、大粒で暖かそうな好みのタイプの雨だ。
ていうか、休暇をとっているおかげで余裕で眺めていられるわけだが。

午前中は、パソコンのファイルの整理をしつつ、数名の知人へメールなどを
発信していた。ひととおり作業が済んだところで緊張型頭痛がまたぞろ再発
してきたので、苦悩しながらパソコンの電源を落とす。

それから仏教に関する本を少し読んで眠くなり、科学の本を読んでまた少し
眠くなり、ハリーポッターを読んでいよいよ眠くなり、O谷君に借りていた
大長編ドラえもんを3冊読んで 『のび太と夢幻三剣士』 が意外に面白かっ
たように思いつつ窓外の空を見上げてみれば雨はすっかり止んでおり、
明るい気分になってきたので、出かけてみようと思ったら、妻はすでに
昼寝モードに突入していた。

仕方が無いので、自分も昼寝する。

またピタゴラス教団に襲われる夢を観る。今度は複素数に助けられた。
馬券を買う直前に自問自答などしてしまうと、たいがい余計な買い足しなど
してハズレてマイナスになってしまうところが、自乗するとマイナスになる
複素数に似ていることに気が付いたオレさまは、教団の兵士たちを競馬場に
誘い込み、ヤツらが自己嫌悪に陥ったところを一網打尽にすることに成功した
のである。量子力学ならぬ漁師力学的勝利だった。

午後2時を過ぎた頃に、妻に叩き起こされる。
さあ散歩にでも出かけようかと提案すると、妻は無言でついてきたが、
少し歩いてそのまま本屋に突入しようとすると、スポーツクラブへ行くから
といって、踵を返して去ってしまった。その背中をしばし見送る。
交番の巡査がこちらのほうを見ながらニヤリと笑う。

書店に入り、一人で心置きなく小谷野敦など立ち読みする。
言いたいことを言ってやがるので、全部立ち読みで済ませてやった。

夕方帰宅。またしばらく読書。やがて妻もスポーツクラブから帰ってきて、
梨とバナナを出してくれたのでムシャムシャ食べつつそのまま夕食に突入。
食後しばしの休息を経て、スポーツクラブへ行き巡礼のごとく無心に歩く。