どうもおかしい。ダービーの夢を全く観ない。
オレさまの予知夢は必ずハズレることで定評があるので、
そろそろ 「ディープインパクト圧勝おおお!」 のような夢を観て、
気持ちだけでも安心したいものだが、どうなっておるのだ。

昨夜は、妻が幼児退行している夢を観た。このシリーズはときどき観る。
二人で旅行に出かけているのだが、妻が知らない子犬を追いかけて、
どんどん行ってしまうので、心配しながら彼女の後をついていくのだが、
オレさまが 「そっちへ行っちゃいけないよ」 と何度も注意しても、
ぜんぜん聞いていない様子でどんどん子犬を追いかけていく。

オレさまの予知夢は必ずハズレることで定評があるので、
実際には、妻はたぶん、このレースに勝つだろう。2着が子犬。
まあ、いいか。
 
夜は、有志によるK藤さんの壮行会。錦糸町の 『月の雫』。
参加は、O西さん、M村くん、Tさん、そしてK藤さんとオレさまの5人である。
K藤さんは、IT業界を離れて、児童書の出版社に転職することになった。
このため、どうしても話題は出版関係へと傾きやすくなる。

会話のなかで、目方で販売する書籍というのを思いついた。
とにかく長くて、内容はよくわからないのであるが、どこから読んでも読めるので、
暇つぶしにはなるような書籍なのである。営業の人はこの書籍の塊を背負って歩き、
方々の書店の軒先や縁日で個人相手に目方販売をする。こんにちは、良い部分が
入ったから少し持っていきなよ、はい100gね、ここちょっとオマケね……。
読んだ方も 「今日は何kg読んだよ」 などといって読書量を自慢するのだ。
まあ、いいか。

ガンダムマニアのM村君は、サンライズ系の 「合体絵本」 というのを考案した。
3冊〜5冊のパーツに分かれていて、重ね合わせ方によってさまざまな物語が構成
される書籍である。1冊だけでも読めるが、5冊を合体させると壮大なストーリー
に転生するわけである。その重ね方によっては、陸・海・空、さまざまな特性……。
まあ、いいか。

後で思い出してみると、たいして面白くないな。
酔って話しているときは面白いと思って一生懸命に語るのだけれどな。 

午後10時頃に店を出る。K藤さんとは本当に今日でお別れなので、
それぞれに反対方向の列車に乗り込みながら、互いに静かに手を振り続けた。