妻がスポーツクラブへ行っている間に、『ブッダ』 を盗み読む。
ルリ王子のくだりは、やはり泣ける。

昼過ぎに妻が戻ってきて、二人で庭木の剪定などする。
オレさまが、葉の塊から飛び出した枝を、プチプチ切っているところを、
横から妻がバッサバッサと大きく落としていくので、そんなに切って大丈夫かい?
と聞くと……

「大丈夫、また生えてくるから」

うーむ。その自信は一体どこから湧いてくるのか。
さすがに妻は女性なのだと知る。女性というヤツはどこかで大自然と繋がっていて、
空即是色を身体で知りぬいている存在なのに違いないのである。
オレさまは痛切に、男性であるが故の限界のようなものを感じさせられた。

夕方、散歩がてらに駅まで歩いて、
駅前の居酒屋で軽く飲む。オレさまがいかにホッピーが好きかを妻に説明する。
ただし、ホッピーを飲むと必ず翌朝は二日酔いなのである。