定時後、2時間のスタジオ練習を終えて、いつものように居酒屋を探して歩くうちに、新宿大ガードに面したビルのなかにある『嵯峨野』という店に辿り着いた。和風居酒屋とあるが、杜子春の夢のなかにでも出てきそうな中華飯店風の不思議な空間だった。仙人の姿を探しながらビールを注文する。やがて反省会。アドリブの最中に指板の上で音を探すことが多いので、これを”ジェームス・ブラウン奏法”と名付けたらO西さん、O野さんに呆れられた。頭の中で『崖っぷちギター』という小説のタイトルが浮かんだ。