優勝旗を返還すべく行進する高校球児のように、傘を斜めに抱えて帰ってくる。グチョル。今日来た台風の名前は生涯忘れないだろう。鞄も傘も靴もすっかりやられた。もう濡れるところが無くなった状態で帰宅。戸板に叩きつけられる雨の罵声をやり過ごしながら風呂に浸かりつつ庭先のクチナシの心配をする。