定時後、職場の有志で大井競馬場へ行くと誘われたので付いていく。メンバーの一人が両国駅東スポを買って開いていたのを覗いてみれば、大井競馬の終盤3鞍の確定枠が1面を埋める程度にそこそこ大きく掲載されているようだったので、自分も浜松町駅まで引き付けてから夕刊ゲンダイなど買ってみたのだが、こちらはほんのわずか5センチ四方程度の大きさでメイン1鞍分の馬名しか載っていない。さらに言えばメインは 「夕刊フジ賞」 ということで、夕刊フジを買ったもう一人は、メインだけではあったもののもう少し大きな予想枠を見ることができたのである。馬券を買う前からいきなりハズレた気分になる。

何年ぶりかの大井競馬場である。パドック前の新しいスタンドがとても綺麗なのに驚かされる。向こう正面に広がる長い電飾も鮮やかだし、スタッフの表情も明るくて、まるでディズニーランドにでも来させられたかのような錯覚を覚える。

まともに予想しても当たる気がしないので、適当にゾロ目だの誕生日の数字だのを思いつくままにマークしてみたが、当たらないものは当たらない。後輩の一人も彼自身の誕生日のとおりに【6→1→2】の3連単を毎回買うように決めていたようなのだが、メインレースが【1】→【6】→【2】という順序で入線し、3連単なら130万円、3連複でも16万円という高配当になったのを、誠に残念ながら獲り逃がしてしまったわけで、それはもう他人事ながら、しかしそれほど他人事というばかりのものでもなかったはずと想像しながら、大変がっかりしてみたり。

最終レースは 「池月・磨墨賞」 という名前がついていた。どちらも平家物語に出てくる馬の名前だったように思うが、それならば、池月のほうは、”生食”とするのが正しいのではないかとブツブツ言ってみたり。生食は宇治川の合戦を前に源頼朝佐々木高綱にくれてやる名馬であるから、このレースの名前を見て、佐々木高綱=佐々木調教師は鉄板であるという素直な発想が導かれるべきなのに、なぜか【11→9→2】という年号のゴロ合わせ馬券を買って当たった気になってしまう様な不運からどうしたら自分は脱出することができるのか。